これも良い教科書

Web 技術関係者が押さえておくべき事が一通り、うまくまとめられていると思います。

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

より深く正確な知識を得るためには別途文献などを当たる必要があります*1が、立脚点としてとても上手にまとめられているという印象です。
前書きに「本書の対象読者は、規模の大小にかかわらずWeb技術を使ったシステムを開発した経験のある人です。」とある様に、何かしらの開発経験がないと上手く消化しきれないかもしれません。

読んでみて思ったのは、まだいまいちWebサービス開発(設計)の要点がつかめていない時の添削目的で使うと良いのではないか、という事でした。
過去の自分を添削して設計指針の感覚をつかめたら、そこから先、個々の技術の詳細などを追いかけると良いかもしれません。

自分が本書から得た中でもっとも良かった事は、「REST とは何なのか?」という問いに対する自分が納得できる答えを得られたことです。
(過去に読んだ「RESTful Web サービス」という本にも書かれていたのかもしれませんが、記憶が曖昧で RESTful な設計に関する具体的な記述があった事位しか覚えていません。大分消化不良だった様です。)

RESTful Webサービス

RESTful Webサービス

今でもあまり上手く消化しきれていませんが、「Web という大規模な分散システムが成功した理由を分析してアーキテクチャスタイルにまとめたものが REST である」という答えに今のところは満足しています。
まあ、たぶん、自分にしかわらない感覚的なものだと思いますが…。

自分の REST に関する感想はともかく、Web サービスの設計指針をつかみたい方、つかませたい方、一読しておくと良いと思います。

*1:本書に誤りがあるという意味ではなく、より良い習慣として一次ソースには目を通すべきという意味です。